今回、互興マリンの社有デモ艇としてカロライナスキッフを導入したわけだが、実は、カロライナスキッフ
との実際の出会いは浅い。今年の初め頃だが、スズキマリーナ浜名湖で、新型4サイクル船外機の
最終デモテスト(DF300)のときにスズキマリーナ浜名湖の桟橋に泊まっていたのが実際に初めて出あっ
たと言っていいだろう。(この原稿を打っている現在からでも4ヶ月ないな。)
実際会わないまでも・・・
それまでは(おぼろげな記憶を辿ってみると)某ボート雑誌の試乗インプレッションや海外メディア
(ディスカバリーチャンネルか?)のフロリダでのフィッシング、アリゲーターハンターなどのボートとしても
ちょくちょく見てはいたのだが・・・。
そんなこんなで、カロライナスキッフの存在は知っていて気にはなっていたのだが、スズキマリーナ
浜名湖での実際の出会いで、そのユニークさにイカレテしまったというわけだ。
例によっていいなぁ・・・と思ったら速攻でキメキメですわ。
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やっぱり特徴的なフラットボトム
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でも、船底からの立ち上がりで鋭く切り返すエッジ
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さてカロライナスキッフの作成過程は別にして、完成後に検査を通して早速乗ってみた。
桟橋に繋がったスキッフちゃんは、やっぱり広い。長方形の風呂桶が浮いているようなもんだから
(とんでもなくタフで、とんでもなく楽しく、とんでもなく"使える"風呂桶だけどね。)確かに広い。
普通、陸上の上架状態であるときのボートは当然ながら大きく感じるもので、浮かべたとたんに
"案外そうでもないなぁ・・・。" と、いうのが常であるが、どうだろうかこの広さは。
バウデッキなんかは、2人でキャスティングできそうなくらいの面積がある。バウデッキから一段降りて、
通常のデッキ面なんかは、両舷並んで6人でボトムフィッシングができそうだ。
しかも、片舷に寄りかかっても傾斜角度が非常に少ないし、そのヒールするスピードも非常に緩やかだ。
うーむ。この静止安定性は他のどんな船にも真似出来ないフィーリングだろう。
(下の画像は、たまたま中の島マリーナに遊びに来て頂いた叔父です。・・・船舶免許持ってます。) |
全く???傾かないのだ。(燃料満載です)
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覗き込んでも当然傾かない。
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早速エンジンをかけ、暫くランニングイン。
実は、今回セットアップしたエンジンは2008年モデルのDF140である。スズキの4サイクル船外機も
ご多分にもれず、そのメインマーケットは、北米である。北米では車を始めモーターサイクルなんかも
モデルイヤー制が導入されているものが多いが、そういうこともあって6月からは早くも2008年モデルの
船外機が出ていたりする。-船外機の話は別にして-
互興マリン中の島マリーナは貞山運河の中に位置しているので、エンジンをかけですくに舫いを解い
ても、デッドスローで運河の移動中に暖機運転ができてしまったりする。(エンジンスタート後に、すぐに
出航なんて電子制御インジェックションのなせる業だね。キャブはこうはいかないな。)
出航してすぐに思い出したけど、そう!!!このカロライナスキッフって曳き波が異常に少ないんだ。喫水も
モデルによってだけど、10〜15センチほどしかない。
コレなら、運河脇に係留しているほかのボートにも迷惑をかけることが少ないよね。乗っているほうも
スズキ4サイクルDF140船外機の静かさもあって、アメンボみたいにスイーッて滑っていくんだ。船底に
分厚いフォームが充填されているものあるけど、チャポチャポ、ピチャピチャ・・・なんていう安っぽい音が
全くしない。本当にスイーッて感じなのだ。 |
2000rpmで移動しているのだが、曳き波が立たない
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今回、航路に出たけど波は0.5〜0.8m位だった。
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まずはエンジンが全くの新品ということもあって、港の周りを2000〜3000rpm程度でノロノロと20分程度
航行。通常であれば、滑走前のハンプ状態でエンジンにとても負荷のかかる回転域で、このスピードは
正直初期のランニングインでは勧められないのだが、このカロライナスキッフに関しては、全くその心配が
不要であるかようにハンプの状態がなく、全くスムーズに回転に応じた船速が得られ、2000〜3000rpm
とはいえ、ハンプ状態の異常な負荷がエンジンにかかることはない。当然ながらバウ部分が派手に持ち
上がるような状態にならない。(当たり前)
プロペラのセッティングを確認するために、徐々にスロットルを開けて行ってのであるが、スロットルを
開けたら開けた分だけ船速が付いてくる。非常にスムーズだ。船底に入っている4本のストライプラインが
利いてか、非常に直進安定性もいい。 |
4本のストライプの中央の船底部が少しトンネル状
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火力発電所前から発生するテストにお得意の波。
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途中、松島湾の観光船の立てる1.5m程の鋭く立ち上がる連続した曳き波に突っ込んでみたりもしたが、
懸念されるような"叩き"も、心配するような程度でもなかった。むしろ下手なVハル船底ボートと比較して
もカロライナスキッフ2480DLXの方が、不快なパンチングは少ない印象だといえよう。
今回互興マリンのデモ艇の今のセッティングが、機関取り付け位置が上から3つ目の位置で、
プロペラが21p。チルトを蹴り上げた状態のエンジン回転が6100rpm。最高平均速度が37〜38ノットと
いったところなので、そのくらいの船速が出ていれば、ショックのないボートなんか存在しない。
それを踏まえて、28〜35ノット程度まで船速の出るボートの中で、今までの経験値からいえば、
トップクラスの快適航行が可能だったと言っていいと思う。 |
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その理由として考えられるのが・・・その船体の構造にあると思われる。
分厚い船底部分には、約12センチピッチでモールドされた仕切りが設けられ、その間にはピッチリと
浮沈材が充填されているのもその理由の一つだろう。ドーン、ドーンというような、いわゆる"太鼓"を
たたくような不快な異音が発生するような要素が存在しないというのが、水面を叩いた時の不安要素を
さらに加速させない(増幅させない)ものだと思われる。繰り返すが、スピードか出て叩かない船などない。 |
カロライナスキッフの耐沈没性能に関しては2480DLXをはじめカロライナスキッフの
多くのラインナップを輸入・取り扱っている浜名湖一美しいマリーナとして有名な
ボートクラブカナルさんの、このブログを確認ください。 |
通常であれば、船体を縦に貫くストリンガーも存在しないのがこのカロライナスキッフの特徴の一つでも
ある。
うーむ。こいつは奥が深い・・・。今日一回のインプレッションでは語りつくせない。
今度は、実際の釣りに連れ出して、その性能を探ってみたいと思う。
カロライナスキッフ2480DLXの輸入に関して、日本国内のデリバリーは浜名湖一美しいマリーナとして
有名なボートクラブカナルさんが行っている。もちろん宮城県を中心とした東北エリアに関しては
我々互興マリンが皆さんにお届け可能だ。
互興マリンでは2480DLX-2007/スズキDF140のデモ艇が常備されております。ぜひカロライナスキッフ
の、その素晴らしい魅力的なフィーリングに触れていただきたい。
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