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GOKO-MARINE

***2007/03/15〜18の会期で開催***
今年も国際ボートショーに行ってまいりました(3/15-16)。
今年の開催は、横浜パシフィコにての開催で、中古艇や大型艇のフローティングでの展示もあり、
充実した暫く見られなかった内容での"ボートショーらしい"ボートショーでした。

例によってたくさんの展示内容から沼田目線で、気になってモノをピックアップしてお送りします。

船外機
今年の見所は、なんといってもスズキvsヤマハの高馬力の大型船外機ではないでしょうか。
4サイクル船外機としては"市販"最高出力のスズキからDF300の発表・発売と、
ヤマハからF350の参考出品が外せないだろう。

スズキは、55°のVバンクを持つ4リッターのV6レイアウトに対し、ヤマハは60°のVバンクを持つ
5.3リッターのV8エンジンだ。

両社ともDOHCの4バルブエンジンだが、(比較的)スリムでコンパクトなDF300に対し、
F350のフォルムには、圧倒される。隣に並んでディスプレーされていたF225と比較して
いただいてもその存在感は絶大である。(下の画像を参照されたし)

ヤマハ側も、そのメインマーケットとしては当然北米を中心とした海外市場であるとの事で
デリバリーもまだまだ先のようであることから、実際のデリバリーまでは仕様変更も十分
あるであろう。・・・確かに、このままの仕様では、あまり現実的な路線ではないようにも思える。

DF300に関しては、搭載可能なボートも少ないながらも輸入艇や業務艇、スズキ+ヤンマーの
コラボレートであるX-24(FX24CS)にも搭載されて(-*下記参照)既に市場にも入っていている。
わたくし沼田も既に1機掛け、2機掛けとも実際にテストしており、その印象はレポート済みだが
F350はまたいろんな意味で興味深い。

-* X24に搭載されたDF300はメーカー標準設定ではその設定がない。
X24の最大搭載馬力は250馬力であり、DF300の搭載には艇体の改造や補強が必要である。
当然、その際には、JCIも各個別・個体毎の対応にて耐久検査や回転制限などの措置が必要な
場合もある。
スズキDF300
ヤマハF350

F225の隣にディスプレーされていたF350(参考出品)。

段をつけたディスプレーだったが、F350のほうが段の上にあるF225より
大きいのが一目で分かるだろう。(撮影条件は下記)

上記画像は、F225とF350を下辺の両端として結んだ2等辺三角形で、
その頂点位置より可能な限り水平を出して撮影。(ヤマハブース内)

以前、マーキュリーのスーパーチャージャー付船外機"ヴェラード"の6気筒モデルのチルトと
パワーステアリング周りって、どうなの?という質問が寄せられたことがあったので、ここに画像を
アップします。(マーキュリー)

艇体・野外フローティング
艇体では、大型艇、輸入艇を中心にゴージャス路線と、キャリアブル・トレーラブル艇を中心とした
エントリー+マニアフィッシャー路線と2極化しているように思えた。

とくに今回の2007ボートショーでは、いわゆるバブル時代に晴海で行われていたボートショー以来の
フローティング展示が行われ、その展示内容は、輸入艇を中心とした40フィートを超えるモデルが多く、
野外展示で実際に桟橋に繋がれ、その浮いている船の上で、雰囲気を味わいながら、確かめることが
出来るというものだ。
多くの大が艇が一斉に展示されていたこの姿は、かつてのバブル時代を思い起こさせるが、けして
茶化しているわけではない。ゴージャスな大型ボートとは憧れであり、そういう意味でもボーショーの
こういった演出は必要だと感じた。なんていったって、日本で行われる国際ボートショーなのだ。

艇体・屋内展示
スズキブースでは、2馬力から300馬力までの
フルラインナップと、アグレッサーと日産からの
OEM供給を受けているGF22の展示をしていた。

先日最終テストを行ったDF300もドまん前に
展示。

奥には、DF300、DF250、DF90のカットモデルも
展示、スズキ独自のメカニズムも分かりやすく
ディスプレーされていた。

日産マリンからは、突如発表されたN34コンバーチブル。
日産には以前からGS1000、GS800とフライブリッジモデルがあったが、既に10年以上も経過して
しまったモデルである。サンクルーズの一部のモデルとセブリエ以外は、サロン的ないわゆる豪華な
魅せるキャビンを持っていない、質実剛健なマニアフィッシャー向けのボートが多かったが、
N34はある程度、くつろぎも求めるスポーツフィッシャー的な使い方も出来るボートとして発表した。

ホンダブースには、佐野造船所のオールマホガニーウッドで作成したサノ24ランナバウトがBF225を
搭載して展示されていた。ホンダはBF75、BF90が新規モデルチェンジとしてデビューしているが、
ある意味、このサノ24クラシックに来場者の目が食われていたような感じがした。うーむ。

航海計器
航海計器はますます電子化が進み、さらにアナログからデジタル化が進んでいる。また、パソコンの
市場浸透から、パソコン(以下PC)とのデータ共有と融合がより進んでいるといえる。
そのなかでも気になったのは、本体にD-sub15ピンモニター端子を備え、もうモニターは汎用でPC用に
お任せしてしまおうというモデル(PGS)がFusoから参考出品されていた。潮風に曝されるセンターコンソ
ール艇やオープンコンソール艇は別にして、ハードトップが装備され、風雨に曝されることのない独立し
たキャビンを持った艇体であれば、むしろ汎用モニターのほうが、自由度は飛躍的に高い。19インチの
液晶GPSを検討しようとしたら、軽く100万円以上の投資を覚悟しなければならないが、いまやPC用19イ
ンチ液晶モニタなんかは3万円程度で買えてしまうのだ。

本体価格がまだ発表されておらず、PCモニタは防水性能や対振動性能等を全く考慮していないので
そういった意味での耐久性はないが、それこそ星の数ほど巷にあふれているPCパーツで
マルチタップで艇体のあらゆるところで確認可能なマルチモニタ化やモニタサイズの自由度の高さから
収納・設置場所の汎用性、色やデザインの果てまで選び放題である。

これは、以前から各メーカーに提案していたことであるが、やっと一つの形として出てきた感じで、沼田と
しても非常に嬉しい限りだ。Fusoの製品に関しては、ショーに出ていた現物を見ると、面面はC-mapの
データスロットが2つと汎用USB端子が付いており、なにやらいろいろ期待させるものがある。

現況参考出品であるので、実際のデリバリの際には仕様変更の可能性も十分に考慮しなければ
ならないが、裏面はD-sub15モニタ端子と電源、アンテナ、NMEAデータ端子などが装備されていた。

環境的な配慮も必要だが、100万円以上の投資と秤を掛ける場合、たとえ毎年モニターを買い替え
したとしても、何かと嬉しい結果があるような気がする。本体価格が未定とはいえ、いまや6インチの
液晶(モニタつきの)GPS魚探が13〜20万円で買えてしまうのだ。さてモニターなしの本体が、おいくらに
なるのかお楽しみに・・・。といったところか。

もう一つ注目したいのが、AISの簡易表示機能を持ったGPSシステムの参考出品を各社行っていた
ことだ。(AISとは?-海上保安庁)

これは、自船のGPS画面にAIS搭載の船舶位置を重ね合わせて表示することで、安全航行の更なる
向上と、航行地点の選択決定をアシストするものとしてプレジャーボートをはじめ、遊漁船への搭載を
私としても非常に有効視している。

200トン以上のAISの搭載義務のある船舶の航行データが自分の船舶のGPS画面に表示されれば
AIS搭載船舶の位置イメージがより直感的に(どの方向に進んでいるのか、泊まっているのか、船名等も
表示されるので)分かりやすいといえる。使う使わないは別にしても、なにより、航行上の直感的に
理解しやすいデータは多い程ありがたいものだ。どのように使用するかは船長次第だが・・・。

同じくFusoからは、8インチの液晶GPSと、マリンVHFが出品されていた。

2006年は、KODENさんソナーが大活躍2月に開催した互興マリン講習会でも反響の多かった
航海計器だ。また、テレビでのつり番組や大間のマグロ系の番組などでもその効果を大きく取り上げ、
非常に注目度の高いソナーだが、それに合わせて沼田の注目しているのが3Dのパノラマプロッタだ。

実は、KODENのカタログやホームページでも詳しく謳っていないが、このパノラマプロッタ(SPD-300)
には、裏サービスプログラム(決してダークサイドやアンダーグラウンド的な危ないものでない)がある。

SPD-300には汎用のCFスロットがあり、SPD-300とリンクさせることが可能な測深器や、いわゆる
魚群探知機と連動させることにより、自分で航行した位置情報と水深データをCFに次々と蓄積して
メーカーから出荷されるストックの海底データよりより正確な海底データを表示するのだ。(*詳細下記)

常に行き来するお得意のポイントは、より正確に表示するし、行かないポイントはよりメーカーのストック
データのままとなるが、コレは非常にユニークだ。
*SPD-300の接続
SPD-300にリンクが可能な測深器や魚探は、必ずしもKODEN製でなくても良いようだ。
ただし、その測深器等にはNMEA対応の端子が必要となりその規格はNMEA0813以上のモノである
ことが前提である。
ただし、リンクさせてCFカードを装着すればいずれ反映されるというものではなく、そのデータが蓄積
されたCFを一度KODENへ送付が必要だ。現在のところ送料のみをユーザーが負担すれば、そのデー
タを反映させたカードが送り返されて、そのデータをSPD-300に読み込ませれば、自船で拾った海底
データを反映させた詳細マップを使えることになる。
KODEN側としては、航行データは個人情報として取り扱い、一般的な汎用データとして使用はせず、
送ったユーザーのみに反映させて送り返すとしている。当然、ユーザーもそのデータを有償で頒布したり
売買してはならないようだ。詳細は、互興マリンかKODENのエリア担当まで。

電池駆動で使用可能な小型カラー魚探からバス専用魚探、アンテナ一体型のリーズナブルタイプの
カラー液晶GPS/魚探までプレジャーユースでも幅広いラインナップを展開するホンデックスだが
ホンデックスも大型のGPS/魚探を発表していた。

これも、液晶部分は汎用のPC用液晶ディスプレーを使用しているようだ
(Diamondcrysta RDT194LMと表記が見えたので三菱製と思われる)。

ただ、ホンデックスのこのモデルはFusoの発表していたモデルとは違い、本体一体式で、汎用コネクタ
で対応しているものではない。

ソニックスでは、互興マリンでも快調に販売数を伸ばしている海探-Rとともに、3.5インチの小型
GPS/魚探が復活再販されていた。(一時発売されたが、生産中止となっていた)

魚探発明メーカーとして有名な老舗のフルノ電気
は、ターゲットとなる魚探に写った魚のサイズが
画面に表示される魚探を発表していた。

メインステージでは、(先日互興マリンでもKODEN
さんにご協力いただいて同様のトークイベントを行
った
)魚探とソナーのセミナーを行っていた。

互興マリンのときもそうであったが、魚探の基本的
な仕組みとソナーの仕組みを説明するのだが、来
場の方々は、改めて納得していたようだった。互興
マリンでも定期的に講習会を行っていくつもりだ。

艤装品など

いわゆるミルスペックのシート。
互興マリンも続々と高出力4サイクル船外機を
お買い上げいただき、船外機艇もますます高速化
しております。
安全性と快適性の観点からお勧めしたい逸品です。

ボルボ提案の新型スタビライザー。今までのフラップタイプと異なり、船底に対して垂直方向に突き出して
使用する形になる。実際の製品は、すべて樹脂製の躯体で出来ており、錆などの心配はないが
動き自体が、少々オモチャっぽいモーター音を伴って稼動する為、理論上の効果の程は、なんとなく
理解できるが、もう少し質感があってもいいのでは・・・という印象がする。(ボルボペンタ)

その他、沼田的観点で食いついたもの
やっぱり外せない、4輪バギー。大好きなんだよねぇ〜こういうの。
何でコレが、一般公道をバイクのように走れないんだろう。道路交通法を改正して欲しいね。
跨って乗るんだから、バイクでいいじゃんねぇ。(上記画像-ボンバルディア製ATV)
サイド×サイドタイプのユーティリティーATVのヤマハのリノ(ライノ?)もありました。
諦めていたのですが現物が・・・。どうしてもこういうのから脱却できない沼田でした。
あーあ。どうしましょう。困ったものです。

互興マリンのお客様の間でもその効果が認められ、大変ご好評いただいているGRP
レースボートにも使用されているのはその信頼の証だ。
ボートクラブ誌の表紙などで有名なイラストレーターのTadami氏のデザインであるGT-TUG。
港湾関係のタグボートをモチーフにしたデザインがとてもかわいらしく、ファニーな雰囲気で
ディスニーランドの中でロジャーラビットあたりが乗っていそうな印象のボートだった(実際、子供たち
にもとても人気があった)が、内容は非常に拘った造りをしておりプレーニング性能やローリング性能
までも、緻密に計算されたボートであった。メインステージでは、Tadami氏のトークイベントもあり、
その開発エピソードなども披露された。

互興マリンでもここ3年ほどアングラ的にプッシュしてきたマリンオーディオの分野でも、ワイズギヤ
から、気になるアイテムが出品されていた。

パイプクランプ式のスピーカーシステムと、メーターパネルにスッキリ収まるタコメーターなどと同サイズ
3インチゲージの防水リモコンとi-pod対応コントローラーである。しかもスピーカーはホームオーディオ
やカーオーディオのブランドとしても有名なインフィニティーである。
(文句なし。マリンオーディオを検討しているオーナーは、黙って導入すべし)
お問い合わせ
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